お山の爺さん

豊島与志雄

お山の爺さん書籍情報

お山の爺さん 2

豊島与志雄

      四

 子供達は、お爺さんを捕(つか)まえそこないましたけれど、きのこのことを考えると、うれしくてたまりませんでした。
 翌日になると、子供達は朝早くから起き上がって、皆誘い合わして、胸をどきつかせながら、林の所へやって来ました。するとどうでしょう。林の中一面に松茸(まつたけ)や初茸(はつたけ)やしめじや……金茸(きんたけ)銀茸(ぎんたけ)などが、落葉や苔(こけ)の中から頭を出してるではございませんか。
「やあ、たくさんはえてる!」
 皆は我を忘れて、林の中に駆け込んで、きのこを取り