豊島与志雄
豊島与志雄
「とうとうわしの方が敗けてしまった。お前達はほんとにおもしろい児(こ)だ。明日からまたきのこをたくさんはやしてあげよう。だがわしはもう決して出て来ないよ。お前達がきのこをたくさん取っていったら、村の人達も不思議に思って、皆でやって来るに違いない。わしはお前達のような子供の前に出て来るのは構(かま)わないが、大人(おとな)達の前に出て来ると、きっと悪いことが起こるのだ。では、これでお別れだ。そして、わしがいないと危ないから、もうたき火はしないがよい。それから、きのこを取るたびに、お前達を大変好きだった山の爺